京都の近代建築を考える会

近代建築を考える会です

バザールカフェ

第7回市民が選ぶ文化財
「バザールカフェ」
クラッパードイン

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バザールカフェ

所在地  京都市上京区烏丸通今出川上る岡松町255番2
竣工年  昭和初期 
構造規模 木造二階建
設計者  ヴォーリズ建築事務所
所有者  在日本インターボード宣教師社団
管理者  日本基督教団京都教区 共生空間BAZAARCAFE

選考理由
京都の中心、御所の北側に同志社のキャンパスが広がっています。
明治以来、近代都市としての再生を果たしてきた京都市民にとって、同志社は文化、教育において大変大きい存在であり続けています。
新島譲の建学以来、キリスト教の精神をもって活動をしてきた同志社は又、幾多の宣教師を国内外から迎えてきました。
それらの、とりわけ外国人宣教師たちの住居がキャンパスの西、室町筋に多数存在していました。
明治初期のコロニアルスタイルから昭和初期のヴォーリズのデザインまで、それらの建物は大学の赤煉瓦の建物群と相俟って、モダンな街の風景を作っていました。
その宣教師館群の最後の建物がバザールカフェです。
管理者はこの建物を「クラッパードイン」と称しておられ、今後は「クラッパードイン」を建物名として広めるべきと思います。
竣工年月日は昭和のひと桁であろうと思われます。
ヴォーリズ建築事務所の設計ですが、ヴォーリズ個人の関与の程度は不明です。
いずれにしても、門柱や塀も含め、建物のプロポーション、土壁の色、細部のデザインなど、いわゆるヴォーリズ建築の典型です。
現在、1階は障害や国籍など差別を受ける人たちの就労、自立や市民との交流を目的とした非営利団体「共生空間BAZAARCAFE」が経営しておられるカフェ。
2階は宣教師の方の住居として利用されています。
1階と2階の利用を分離したこともあり、玄関を移動するなど大きく改造されていますが、建具や天井、床など従来のものを良く残り、旧来のイメージは損なわれていません。
特筆すべきは一階のバザールカフェへのアプローチです。
入口を敷地裏側の庭に面して以前食堂であったろう部分をカフェとし、庭先に木の床を広く張り、パーゴラを配して庭との一体感を演出しています。
このように近代史の中で歴史的意味を持ち、街の風景として、交流の場として市民に愛され、貴重な近代建築を愛着を持って維持、管理に努力されておられる「バザールカフェ」は私たち近代建築を愛する市民が「市民が選ぶ文化財」として顕彰するにふさわしい建築であり、ここに第7回『市民が選ぶ文化財』に選定致します。

2010年5月29日  京都の近代建築を考える会