京都の近代建築を考える会

近代建築を考える会です

京都復活教会

第6回市民が選ぶ文化財
日本聖公会「京都復活教会」

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京都復活教会

所在地  京都市北区紫野西御所田町
竣工年  1936(昭和11)年
構造規模 鉄筋コンクリート造平屋建
設計者  ウィリアム・メレル・ヴォーリズ
所有者  日本聖公会 京都復活教会

選考理由
京都を彩る冬の風物誌の一つにマラソンや駅伝の大会があります。
京都北郊の幹線道路を走るそのルートの途中、北大路堀川の交差点の東南角にその教会は建っています。
白い躯体に傾斜のあるスレート屋根、そして積木を立てたようなゴシックの四角い塔は、まさしくここが「教会」であることを街を行く市民にアピールしているようです。
最近でこそ周囲に高いビルが建って目立ちにくくなりましたが、昭和30年代までの黒い甍の民家が建ち並ぶ風景のなかでは群を抜く存在感があったことでしょう。
とりわけ北大路通りを東に向かう市電に乗ると正面に見え、まるで教会に向かって走っているようなロケーションであったと思われます。
この建物は1936年(昭和11年)に付属の幼稚園と一体として建てられました。
設計はウィリアム・メレル・ヴォーリズ、施工は田林工務店です。
ヴォーリズは関西を中心に数多くの教会を設計しましたが、この教会については木造ではなく、鉄筋コンクリート造としたためか、彼としては珍しくゴシックで仕上げています。
ゴシックにふさわしく、会堂部分の天井のトラスは深く、全体に装飾を抑え、シンプルに仕上げています。
また、幼稚園舎部分についても当時の雰囲気を伝える多くの部分が残っています。
所有者の日本聖公会京都復活教会は1914年(大正3年西陣で創立され、1932年(昭和7年)に現在地に来られました。
それ以前より社会活動の一環として幼稚園を運営され、この教会の新築に際しても、幼稚園舎と一体の建物としておられます。
なお、今回の顕彰対象ではありませんが、教会は滋賀県の湖西、北小松の地にキャンプ場を持っておられ、1939年(昭和14年)、ヴォーリズ設計の瀟洒な管理棟を維持、管理されていることを併記します。
このように街の風景として市民に愛され、貴重な近代建築を愛着を持って維持、管理に努力されておられる「京都復活教会」は私たち近代建築を愛する市民が「市民が選ぶ文化財」として顕彰するにふさわしい建築であり、ここに第6回『市民が選ぶ文化財』に選定致します。

2009年5月31日  京都の近代建築を考える会