京都の近代建築を考える会

近代建築を考える会です

旧村井銀行七条支店

第3回市民が選ぶ文化財
「星の子七条西洞院ビル」
セカンドハウス西洞院店(当時)

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星の子七条西洞院ビル

所在地  京都市下京区東中筋通七条上る文覚町402番地
竣工年  1914(大正3)年
構造規模 煉瓦造瓦葺2階建
設計者  吉武長一
所有者  抹式会牡イヌイ
使用者  株式会社ザックエンタープライズ

選考理由
七条通の烏丸と堀川の区間は近代建築が奇跡のように、濃密に残っています。
その中にあっても、この建物は旧日光杜ビルとともに、街の景観の重要な目印になっています。
この建物は1914年(大正3年)、村井銀行七条支店として建てられました。設計は吉武長一です。
街に馴染んだ小振りの銀行建築ですが、規模にしては大きなオーダー(装飾柱)を4本ファサードに建て、それでもプロポーションが保たれている見事な設計です。
村井銀行は明治の煙草王村井吉兵衛が煙草事業の国有化により得た賠債金で設立し、昭和初期の金融恐慌で倒産するまでの短命に終わった銀行で、戦後は東邦生命七条支店として永く使用されましたが、平成11年から抹式会杜イヌイの所有となり、株式会社ザックエンタープライズによってセカンドハウス西洞院店として営業されています。
京都市内には旧祇園支店や五条支店、また長楽館など村井関係の近代建簗は偶然にもよく残されて、使われ続けています。
所有者である株式会社イヌイの代表取締役丹羽伸嘉氏はこの建物を保存、活用すべく努力されておられます。
また、「セカンドハウス西洞院店」を経営されている株式会社ザックエンタープライズ代表の足達光男氏は建物に愛着を持たれ、内装を含めて、できるだけ従来のデザイン、雰囲気を壊さずに使用することに苦心しておられます。
このように所有者、使用者ともにこの建物を貴重な近代建築として維持、管理に努力されておられる「星の子西洞院ビル」は、私たちが「市民が選ぶ文化財」として顕彰するにふさわしい建築であり、ここに第3回「市民が選ぶ文化財」に選定します。

2006年5月28日 京都の近代建築を考える会